特別支援学校の教員介助
アメリカのネバダ州、リノで大学を卒業後、一年間特別支援学校の教員介助として働いていました。担当は小学校1年生から5年生の6人です。
ネバダ州の就労経験ですね。アメリカでは日本とのワーホリ協定がないのでありがたいですね。今回はりおなさんでアメリカでの学生ビザでの就労経験です。
1. 福利厚生
給料は時給制で、一番最初はクラス全体の教員介助となり、$11.50から始まり、保険などはありませんでした。
特定の生徒を対応する一対一の担当へ変わった時は時給$12.50で学校内での私物を破損された場合や怪我などが起きた場合の保険が付いてきました。
いがいにもアメリカの賃金はドルで表すとカナダよりも低いことが多いですね。ただし、アメリカドルの方が価値が高いので賃金的にはアメリカの方が高い州もあります。
2. 英語レベル
英語レベルは日常会話は必要でした。大人同士であればある程度理解し合えますが、言葉をうまく話せない特別支援の生徒達の言葉を理解したりしました。
騒がしいクラスの中で主任の指示にすぐに従う時に一言二言で理解しなければならないので、日常会話レベルとリスニング力は必要です。
TOEICで表す理想の点数は700点以上、そしてリスニングは80%以上が理想です。
そうですよね、職によっては聞き取りの方が重要と言う仕事もあるはずですよね。理想点は700点という事でやや、上級者向けという事でしょう。
3. DUTIES
特別支援学校では、各クラスの担当が決まっていて、基本的には自分のクラスの生徒を担当します。
生徒のほとんどは、重度の障害を持ち、言葉を話す事ができないので、身体をガイドしたり、毎日のルーティーンに沿ってそれぞれ生徒をレベルに合わせて授業をしたり、ガイドします。
日常生活のサポート
まず、生徒達のスクールバスと教室の送り迎え、給食のご飯選び、教室移動、オムツの取り替えとトイレトレーニング、着替えのサポート、休み時間の遊びなど、生徒達が日常行う事のサポートをします。
トイレもオムツをただ換えるだけでなく、トイレに座らせ、トイレの意味を理解してもらえる様にサポートします。
更にオムツも履かせるだけでなく、自分でできそうな生徒には、サポートが必要になるまで一人で履かせるなど、個々のレベルを見ます。
教室移動など、学校内を歩く時も、手を繋いでガイドするだけでなく、一人で歩けそうな生徒には、後ろから見守るなどして走り出したりする時のみガイドをします。
この様に一般的な学校生活では、ただやってあげると言うだけでなく、生徒一人一人が自分でできる様になるためのサポートをすると言う事を意識して行動します。
コミュニケーション
先程説明した様に、私の生徒は全員話すと言う事ができず、コミュニケーションを取るのは簡単ではありません。
時には言葉が通じない事によるストレスから暴力を振るう生徒もいます。その様な生徒達とコミュニケーションをうまく取るためには、アメリカの簡単な手話を教え、そこから彼らとコミュニケーションを取ります。
例えば、「お願いします」、「もっとください」、「お腹が空いた」の3つはベビーサインとしても使われるほど基本の手話で、落ち着きの無い生徒にも、何かを始める前に必ず「お願いします」の手話をさせる事から一度落ち着いて物事を取り組む事ができます。
個々に合わせた授業
私の受け持ったクラスでは、まず朝は個々の学習レベルに合わせたボックスがあり、先生それぞれが生徒と一対一になって教えます。
言葉が喋れないと言っても、先生の話している事は理解できている生徒が多いので、質問に対しての答えを写真を指差すなどして授業を行います。
通常の学校と違い、生徒の集中力も短いため、一つのタスクを終えたらご褒美に5分程それぞれの好きな遊びができると言う仕組みになっています。
給食指導
特別支援学校での生徒は、食べ物の好みなどがあり、ほとんど食べない生徒もいれば、何でも食べられる生徒もいます。
中には、ほとんど食べ物に興味を持たず、やっとお菓子のみ食べられる様になったという生徒もいます。その為、給食の時には、なるべく新しい食べ物をお皿に乗せ、一口舐めるだけでも体験をさせる様にします。
実際学校に来てから食べられる種類が増えた生徒も沢山居るので、私達は給食の時間は生徒一人一人をよりサポートします。
成長記録
生徒一人一人の成長記録はとても大事な事なので、必ず記録を取ります。例えば、その日生徒がオムツではなくトイレに座ってできたとすれば、それについて報告をします。
この様に小さな出来事でも成長に繋がるので、常に生徒一人一人の行動に目を向けて、記録を行い、そこから彼らの授業の内容なども考えて行きます。
上記の職務から非常に重要な仕事であることがわかりました。生徒との意思の疎通(理解度)が非常に重要な役割を持ちますね。
4. 良かった事
日本でも特別支援に興味があり関わっていましたが、アメリカでの特別支援学校では教育の仕方も違ったり、先生と生徒の間でのルールなどがとてもしっかりしていて沢山学ぶ事ができました。
普段はあまり関わる事の無いアメリカの子供向けのテレビ、音楽、絵本など沢山知る事ができ、日常生活でも子供達との会話にもっと楽しみを感じました。
更に、一番やりがいがあったと思えたのは、自分の生徒が私を信頼し、どんなに厳しくても最後にはいつも笑顔で帰って行った事です。
5. 悪かった事
とても楽しく仕事ができ、毎日生徒達をスクールバスに送った後は今日もよく頑張ったと達成感がありました。しかし、身体を張って毎日仕事をした割にはお給料が低いと感じました。
主任まで行けばお給料は沢山もらえますが、教員介助の私のスキルを認めてくれた主任は安心し切ってしまい、時には生徒を私達だけに預け、自分はオフィスに入ってしまうと言う時があり、とても大変でした。
利点としては学ぶことが多いという事ですが、本当にそうだと思います。私もこの記事から色々な事を勉強させていただきました。欠点としては海外ではよくある、仕事量が人によって異なるという事ですよね。これはあるあるだと思います。
6. どの様な人におすすめできるか
人と関わる事が好きで、子供や発達支援に興味を持っている人にはぜひ経験して欲しいです。
また、自分のスキルを活かしたり、自分の仕事に対してのアイディアを発信したり自分から発言したいと言う環境に居たい人にはすごくおすすめです。
子供が好きな方と言う感じですよね。
7. 面接時の質問
面接は、校長先生と副校長先生との3人で面接が行われ、主に学校や生徒についての質問をされました。以下覚えている印象的な質問を紹介します。
- 言葉の喋れない生徒から引っかかれたり、髪を引っ張られたり噛まれたりの暴力があります。それについては大丈夫ですか?
B. 生徒がやるべき事をやりたく無いと言った場合、どう対応しますか?
C. 仕事中何か違う、またはトラブルだと感じた時、どう行動を取る事が適切ですか?
D. あなたがこの仕事で活かせるスキルは何ですか?
重要な仕事ですので面接がカギになりますよね。面接の質問はストレートフォワードのように思いますね。
アメリカのネバダでの就労経験でりおなさんの記事でした。ありがとうございました。
まとめ
教員介助になるには資格は特に要りませんが、精神的と肉体的体力が必要とされる職種です。とてもやりがいはあり、子供達の毎日の成長に喜びを感じる日々でした。
ペンネーム:りおな
ビザ:OPT (Optional Practical Training)
Juraj VargaによるPixabayからの画像
コメント