カナダで高級レストランに勤務した経験

カナダのスペシャリスト

海外の高級レストランのお仕事事情を聞いたことはありますか? 最近何かと海外の高級レストランはチップももらえて稼ぎが良いとか?

とワーキングホリデーに向かう若者が多いという話を聞きますが実態はどうなの?と思いますよね?私のカナダでの就労経験をもとに、詳しく紹介して見たいと思います。

追記
2024年のオンタリオ州/ブリティッシュコロンビア州の最低賃金は16.55CAD(Ontario)/16.75CAD(British Columbia )となっています。そのために、この記事で書かれる賃金は本来の金額よりも低く紹介されています。実際にはこの金額から30%程度は上がっていますのであらかじめご了承ください。また、2022年以前までは酒類を使う職種に関しては最低賃金以下である$12.55CADが適用さてしましたが、こちらも2024年の現在ですべて変更さていますのでこのブログで紹介されている額は実際には1. 5倍くらいになっているケースもあります。例:$2000CAD→$3000CAD

Minimum wage | Your guide to the Employment Standards Act
Know your rights and obligations under the Employment Standards Act (ESA). This guide describes the rules about minimum ...

オンタリオ州

Minimum wage - Province of British Columbia
In B.C., employees must be paid a minimum wage per hour unless they are a liquor server, resident caretaker, live-in hom...
ブリティッシュコロンビア州

また下記からもその最低賃金ですが2024年10月には$17.65に上がることが予想されており、その額が少なく見積もっても2025年までは継続します。またブリティッシュコロンビア州もどうように16.75CADから17.4CADに最低賃金を引き上げる計画になっています。

Ontario: $16.55 (next raise date: October 1, 2024, estimate: $17.65)

The Minimum Wages in Canada 2024 | Get in Canada
Find out the latest on 2024 minimum wage increases and how they vary across Canadian provinces, set to adjust in April 2...

高級SUSHIレストラン

私はカナダ西部の高級日本食レストラン、いわゆるおまかせレストランでサーバーの仕事をしています。日本にもおまかせ料理店はありますが、いずれも高価ですよね。

カナダでも例に漏れず一つのコースメニューが200ドルを超えるところがざらにあります。私の職場は、創作料理と寿司のコースを提供しています。

お客さんは寿司カウンターに座れるだけしか受け入れていないため、シェフは2〜3人、サーバーもたった一人で仕事を行っています。

給料、福利厚生、チップの話

さて、賃金やチップの話ですが、正直他のレストランやカフェの比にならないくらい良いです。1日に約150ドルもらえることもあります。

それはもちろん、コースメニュー自体が高価なのでそれに相まってチップが高くつくこともあるのですが、一流のシェフの料理とそのサービスに対する対価として、お会計の18〜20%をチップとしてくださる方が多いためです。

必要な英語力

求められる英語力は様々だと感じています。仮に最初に述べたように、ワーホリで稼ぎたい、と英語の勉強もあまりせずにここで仕事を始めた場合でも、仕事自体は可能だと思います。

しかしお客さんとの自然なやりとり、ほかのスタッフとの滞りないコミュニケーションが自分の給料とチップにもつながるわけですから、もし中〜上級程度の英語力があれば、対応できる仕事が広がってきます。

仕事内容について重要な4つの事

ゲストの予約の確認など

これにはお客さんの案内からコース料理中のサポート、定期的なトイレ清掃など、来客中に頼まれたこと全てが含まれます。

具体的には、私のレストランは完全予約制なので、まずはお客さんの予約人数を確認します。団体客から一人での来店まで様々なお客さんがいますので、それぞれが居心地よく食事ができるようにカウンターの配置などを工夫します。

テーブルの準備や掃除などもかなり細かく行います。フロアの掃き掃除はオープンとクローズの2回ずつ行います。

もちろんお皿や湯呑みも全て汚れが残っていないか事前に確認した上でセッティングします。予約時間になったら来店のお客さんを案内し、お茶汲みやお酒の準備などを始めます。

コース料理が始まってからは、寿司のカウンター越しにコースが進むため、コースが滞りなく進むようにお皿を下げ、テーブルを清潔に保つよう定期的に拭き掃除などを行います。これが基本的にメインで行っている仕事です。

皿洗いと食器の整理整頓

これは私の職場独特なものかもしれませんが、お皿洗いと食器の整理整頓を行います。というのも私のいるレストランには大きな厨房がないため、カウンター越しにあるシンク一箇所に全てのお皿が溜まってしまうのです。

これを丁寧に片付けてシェフが必要な食器を準備するなど、お客さんのサービスと並行してシェフの手伝いをしており、いわゆるディッシュウォッシャー(皿洗い)の係も兼任しているわけです。

お会計

三つ目に、お会計を行います。高額なのでお客さんに失礼のないように、合計額をしっかりと確認した上でお会計を行います。

合計金額によっては一括カード払いのリミットを越えてしまうこともあるので、お客さんの様子を伺いながら自然に会計が終わるように問題がないか声がけを行います。

閉店準備の仕事

四つ目に、お客さんが帰られた後はシェフたちと協力して閉店の作業をします。サービスに使用した食器を全て洗い、ゴミを捨てて掃除を済ませてその日の業務が終わります。

1日に来客する人数はなんと12人〜20人と、普通のレストランでは考えられない限られたお客さんのみにサービスを行うため、仕事自体はとてもシンプルに思えるかもしれません。

ですが残飯入れは毎日食洗機で洗っていますし、業務開始前には必ず手洗い、お客さんのお皿が汚れていたら即交換、などとにかく清潔とサービスに気を使う職場です。

シェフも全てプロの日本食のシェフなので仕事も早いです。そんな彼らのスピードに合わせながら、サーバーといえどもプロらしく洗練されたように仕事を行えるよう努力しています。

レストランの仕事の良い点、悪い点

 このレストランで一番良い点は、やはり完全予約制のため開店までは自分のペースで準備を進められることです。

1日に行う作業も概ねルーティン化されてくるので、全体的な仕事を覚えるまでにもそれほど時間はかかりませんでした。

そして何より、国や人種にかかわらず、日本の料理を心から楽しんでいるお客さんの反応を見るのが何よりも嬉しいです。

 反対に、この仕事で負担になる部分としては、1日の中で一緒に仕事をする相手は、10年も20年もシェフ一筋で仕事をしてきたプロたちなので、自分もその速度に追いつけるように、かつ丁寧に業務をこなせるよう非常に気を使うことです。

お客さんもかなりのお金持ち、VIPの方に失礼の無いように接客するよう慎重に仕事をしています。

面接はあった?

縁があってこの仕事に応募した時に行った面接では、これまでの仕事の経験を聞かれました。

しかし実際は質問の返答が重要だったというよりも、面接の次の日にトレーニングを受けて認めてもらえたため採用してもらったという形でした。

まとめ

 ここまで、海外の高級日本食レストランでのお仕事をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

サーバーとして、一人のレストランスタッフとしてプライドを持って仕事ができ、かつチップも十分にもらえる環境は、海外ならではだと思っています。この先海外で仕事がしたい、と考えている方の参考になれば嬉しいです。

BY P.H

Jc WeberによるPixabayからの画像

David ZによるPixabayからの画像

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