今回は新型コロナの真っただ中で仕事をした、M.Yさんの仕事経験を紹介します。2019年の暮れから2020年の7月までという事ですからまさに一番 影響を受けている時期という感じもします。
素晴らしい事にトロントの新型コロナは、2021年の暮れにかけてかなり良くなってきています。(新型コロナワクチンを接種した人に限定にて)
ではではいってみましょう
(1)賃金とチップの変化

日本食レストランでサーバーとして働いていました。時給は14ドルでした。コロナの前(2019年12月ごろ)のチップは、14ドルぐらいでした。
コロナの後(2020年7月ごろ)のチップも、金額はほとんど変わらず一時間あたり14ドルでした。コロナの後は、お客さんの人数自体は減りましたが、お客さんみなさんがチップを多めに払ってくれていたので、
コロナの後でも、サーバーのチップの平均額としてはあまり変わりはありませんでした。
(2)必要だと思った、英語レベル(理想のTOEICのレベル)必要な英語力は、TOEICで650点前後です。

しかし、お客さんが話す英語はクリアな英語でなかったり、カジュアルな英語であったりするため、そういった英語を聞き取る練習が必要だと思います。
また、コロナ過だとピックアップがすべてのためにお客さんとはあまり英語は使いませんでした。(ただし、一時的に店内 飲食が解除なった時期がありました)

なるほど、コロナ過でチップが減っている人が多いと報道される中、頑張られていると思いました。英語力の650点は納得ですね
(3)DUTIES (職務内容の変化)

コロナがピークにあった5月ごろまでは、トロント市内はロックダウン状態にありました。そのため、レストランは閉めなければならず、そのレストランでサーバーとして働いていた私は出勤ができませんでした。
ロックダウンがあけた5月ごろからは、パティオ(ベランダ席、中庭席など、屋外にある席)が使用できるようになり、7月ごろからは店内飲食も可能になりました。
しかし、店外席も店内席も、お客さんの人数に限りがあるということ、席と席の間は2mの距離を取らなければいけない、ということで、お客さんの人数はかなり減りました。
増えた仕事と減った仕事の両方がありましたが、全体でいえば仕事は減り、忙しくなくなったと感じました。
テーブルセット
・サーバーの仕事に、テーブルセットがありました。
コロナ前は、たくさん席がある中で、退店されたお客さんの料理や食器はすぐに下げ、次に入ってくるお客さんのためにすぐにテーブルセットをしなければなりませんでした。
とても忙しくテーブルセットをしていましたが、パティオでの営業が始まってからのお客さんの人数は、ロックダウンになる前のお客さんの人数と比べると激減していたため、テーブルセットのあわただしさはなくなりました。
注文(オーダー)
・カナダでは、日本とは違いお客さん側が自らサーバーを呼ぶ、ということがマナー違反にあたります。
そのため、サーバーがお客さんを常に見ながら、サービスを必要としている人がいないかを確認する必要があります。
これもそのサービスの質で、お客さんにどのくらい満足してもらえるか=どのくらいチップをいただけるか、ということに繋がってきます。
コロナの前には、他のお客さんの元へ行きながら、他の席の様子を確認する、というような動きをしていました。コロナの後は、お客さんが減った分、サービスを求めている人に気が付きやすくなりました。
その反面、席と席の間に距離ができ、お客さん同士も離れて座っているため、コロナ前のような効率がよい動きはできなくなってしまいました。
コロナ過の作業
・お客さんが帰られたあとはテーブルを拭きます。コロナの前までは水で濡らした布巾で拭いており、またその布巾も、昼営業と夜営業のときにだけ新しいものに変える、というものでした。
コロナの後は、テーブルは除菌液をスプレーしながら拭く、というものに変わり、布巾も机を拭くたびに変えるようになりました。
収容できるお客さんの人数が限られていたため、拭かなければいけないテーブルもそんなに多くはありませんでした。
しかし、スプレーをしながら拭かなければならないこと、テーブルを拭くたびに布巾を除菌しなければいけなくなり、それにとられる時間は多くなりました。
コロナ過のマスクなど
・従業員は、マスク着用が義務付けられていましたが、5.6月のトロントは店内飲食ができなかったため、ときには猛暑の中接客をすることもありました。
エアコンなど冷房器具が効かない屋外で、マスクをつけたまま歩き回ったり、お客さんと話をしなければいけないことは、なかなか過酷な状況だったと思います。
コロナ過のソイシャルディスタンシング
・コロナの後は、レストランの床に矢印が示されるようになり、レストランの敷地内を歩くときには、道順に気をつけなければならないようになりました。
どんなに効率がよい道順があったとしても、決められた道順に沿ってサービスをしなければいけなかったため、時間と手間がかかるようになりました。
コロナ過で減った仕事
・店内飲食をされたお客さんが残したものを箱につめることも、サーバーの仕事でしたが、コロナの後にはその仕事が減りました。
お客さんの人数が減ったことと、おそらくコロナの影響で、席で料理をシェアした後に残った料理を持ち帰ろう、と思うお客さんが減ったのだと思います。

確かにコロナ過でマスクをしながら働くのは、大変でしたね、さらにコロナ過の消毒などは平時ではない業務ですもんね…
(4)その仕事をしていてよかった事

日本食レストランでしたので、お客さんも日本食、もしくは日本に興味がある人でした。サーバーとしてお客さんと話をするのはもちろんのこと、日本のことを聞かれることも多くありました。
サーバーとして必要な会話だけでなく、様々なことを話せたのは、やりがいにつながりました。
(5)その仕事をしていてよくなかったこと

日本食レストランではありましたが、現地の人が多く働いていた場所だったため、従業員同士で自分が知らない英語の言い回しを使われることがありました。
よくなかったこと、というわけではありませんが、自分の英語のできなさを痛感しました。(英語の勉強を頑張る原動力になった、という面では、よかったこと、とも言えます。)
(6)どのような人にお勧めできるかまとめ

日本と違って、お客さんがサーバーを呼ぶ、という文化がないため、サーバー側がお客さんが求めていることを先回りして知る必要があります。
レストランが忙しい場合でも、お客さんの要望を察知して、動くことができるような、そんな気を利かせられる人が、このような文化の中で働くサーバーとして向いていると思います。
(7)面接時の質問

基本的には、日本の飲食店でアルバイトの仕事を探すときと変わりはありませんでした。
一日に何時間くらい働けるか、週に何日ほど働けるか、など、シフトに関する質問や、どうしてこの仕事を選んだのか、といったような質問でした。
違った点は、「英語をどのくらい話せるか」という質問でした。
オーナーにその質問をされましたが、面接時の質問に答えたり、雑談をしていく中で、「日常会話はできる」ということをわかってもらうことができました。
ビザはワーキングホリデービザです。

面接の質問は一般的な、物のようですね。また、英語をどのくらい話せるの?と聞かれた場合には”注文や電話の受け答えは問題ないレベル”ですみたいな回答がいいように思います。
今回はM.Yさんでコロナ過の就労経験を書いてもらいました。ありがとうございました。
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